「Miracle of the Fishes」のkubosakuのブログです。 こちらは緩く気楽に行きたいと思います。
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豊前海のアオギス釣り(その1)
8月初めに、機会あって、豊前海へアオギス釣査に行ってきました。

東京湾ではかつて「脚立釣り」が風物詩であったというアオギスですが、東京湾の個体群は埋め立ての進行に伴って昭和30年代に激減し、東京湾での最後の捕獲記録は1962年(昭和37年)とのこと。アオギスは干潟、特に汽水域の砂干潟に強く依存した魚だそうで、沿岸開発・埋め立ての進行に伴って、日本各地で消滅していきました。アオギスは、環境省のレッドデータリストでは絶滅危惧IA類に指定されています。

絶滅危惧種を遊びで釣りに行くとは不届きな!と、実態を知らないヒトは思うかもしれませんが、決してそんな不届きなことはありません。山口県~福岡県~大分県で囲まれた周防灘では個体群が維持されており、特に大分県では、中津干潟を中心にかなり普通に生息しており、狙うわけではないが普通に漁獲され、釣られ、食べられる魚ですが、シロギスの方が美味いので、狙ってまで獲る魚ではない、という認識のようです。鹿児島県の吹上浜にもいるらしいです。最近の記録は1996年とのことですが、後述の小西さんの記事を見れば、まだ居るんだろうと想像されます。

さて、環境省レッドリストでIA類というと、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ等も同じでして、じゃぁ相当希少な生き物で獲っちゃいけないんじゃないかと思う方がいるかもしれません。ですが、絶滅危惧の分類上は同じ扱いとはいえ、アオギスはこれらとは相当違う状況である、ということを認識しなければいけません。ただし、アオギスが日本各地で消滅していったのは確かなことであり、全国単位で見れば以前より相当希少な魚で、今後、豊前海やその周辺の開発進行、環境変化があれば生存が危ぶまれることになる可能性はあり、生息環境の保全が重要であることに変わりはありません。

 さて、前置きはここまでとして、じゃぁどこで釣れるのか?ということで、ネットの海でパチパチと調べてみた結果、釣りサンデーの小西さんの記事がヒットしました。小西さんは、福岡県行橋市で釣ったようです。ただし、季節的には5~6月メインで釣期は7月までだそうで、私の行った8月初め頃では季節的にダメかもしれない。まぁでも、アオギスらしい超大型は釣れなくても、小物の顔を見るくらいはできるのでは?と想像しました。また、瀬戸内海区水産研究所の重田さんが、アオギスの生息状況について分かりやすくまとめた資料もヒット。研究成果に基づけば中津干潟での生息密度が高そうだが、釣れるポイントがよく分からない。釣る、という点では、ヒトが簡単にアクセスできる海岸で釣れるかどうかが重要だが、中津干潟ではその点の情報が分からない。たくさん居ても、船や脚立じゃないと釣れないような場所にしか居ないのでは困る。いうわけで、小西さんのブログを頼りに、行橋市方面で居そうなところをgoogle mapやmapionで探す。すると、河口域で砂洲が発達している場所を発見、ここが良かろうと、8月3日(土)の早朝に突撃しました。
※後日、大分県の方とお話できる機会があり、やはり中津干潟方面の方がもっとよく釣れるはずだ、とのことでした。機会あれば、そちらでも狙ってみたいですねぇ。

 実釣開始は朝5時過ぎ。6時半頃満潮で、狙いはその前後の時間帯。


 この場所を、特定して書くべきか悩むが、やはり、一応伏せるしかないか。釣り人自体極めて少なかった(ゼロでは無かった)のだけど・・・。
運動場の砂くらいの荒い砂の砂洲ができていた。その先の方までは行かず、ほぼ河口、といえるくらいの場所で投げてみる。すると、アタリは僅かに分かるが引きがほどんどない、というくらいの釣り味の無さで、1投目にこんなのが釣れた。




 こんな奴である。普通のシロギスと比べると、アオギスには、青っぽい色合いの他、顔が長い、腹鰭が黄色い、背びれに黒斑が並ぶという特徴がある。まじまじと見てみるが、どっちなのか自信が持てない。鰭は黄色い気もするが、シロギスの鰭がどんなだったか覚えていない。こんな魚がホイホイと4尾釣れる。後できちんと見てみよう、ということで3尾だけキープ。

 他に、マハゼも釣れた。

 このまま釣りを続けても、ピン(アオ?)ギスしか釣れそうになく、場所を変えることに。6時頃撤収。

 こちらは行橋市内、沓尾漁港。この集落内の道路が狭くて辛い。漁港より海側に小規模な砂浜がある。マテガイの殻もたくさん打ち上げられている。50mほど投げると、ブルブルといいアタリ。17cm前後のシロギスが釣れる。

 釣れたシロギス、写真は死んでから撮ったものだが、先ほどのピンギスと比べると、体色は薄黄色、腹鰭は透明、顔は寸詰まり、背鰭に黒点列は無い、ということで、明瞭にシロギスと同定できた。と、なると、さっきのはやはりアオギスだったのだ!と確信が持てた。
ここでシロギスを5尾キープしたが、だんだんドチビのセイゴばかりが釣れる状況に変わってきたので8時頃撤収。そして、改めて先ほどのアオギスと並べて写真を撮っておく。


 どうでしょう、真ん中のは体の曲がりのせいもあってアオギスにしては顔が短いですが、下2尾がアオギス、上1尾の大きいのがシロギス。腹鰭の黄色さは明瞭!


 背鰭の斑模様。上がアオギス、下がシロギス。こうして比べると、アオギスは小黒斑が並んでいるんだなと分かる。

 その漁港のある集落の道は猛烈に狭い所ばかりで、またカーナビがアホ過ぎて、標識で「通り抜けできません」とある道へ案内するもんだから、脱出するのに難渋しました。狭い道をバック、2度も他人の家の駐車場でUターン(スミマセン!)、やっとのことで脱出し、先ほど釣りをしていたのと同じ川、祓川の河口を少し上った所で干潟の様子を観察してみる。


 祓川の河口干潟。カニ(カニの種類は全く知らないので・・・)が、無数に居る。トビハゼが跳ねるのもよく見える。干潟をまじまじと見ることはあまりなかったせいか、こんな泥地にどんな餌が豊富にあるのかと非常に不思議な気分になるほど、生物密度の高さに驚く。

 地図に「長井海水浴場」とあった所へ行ってみた。何も釣れなかったが、干潟に細かい丸い泥が点々と、無数に転がっている。よーく目を凝らして見ると、それは全て、甲幅5mmくらいの非常に小さいカニが巣穴から出した泥の塊。サイズは小さいが、ここも、ものすごい生物量。しかし、「海水浴場」との名前はあるが、誰一人いない。


 潮がだいぶ引いてきたので以降は釣り無しで、今後来る機会があるかどうか分からないけど、ポイント探索のために海岸巡り。こちらは浜の宮海水浴場。潮が引いて、親子連れ1組だけが泥を掘って遊んでいる。昼間に満潮になる日なら、海水浴客もいるんだろうか?駐車場はかなり広かったが。こちらは無数にカニがいる印象は無かったが、泥地で、石の混じりが多く、ハゼ類の稚魚がちょろちょろと見えた記憶はある。


 しいだアグリパーク(現・築上町、旧・椎田町)。海岸のすぐ近くに色々施設があって、この日は少年サッカーの練習試合?をやっていて、車もたくさん停まっていた。この辺では、海岸を見ようとしたら、まず堤防の上の道路?歩道?に上り、さらに1.2mくらいの壁をよじ登る必要がある。常人がやることではない。で、よじ登って見たところで、干潟は全て埋まっており、こんな風にテトラで防護されているのがわかる、というだけ。降りられるテトラではない。海の近くに人がたくさんいるのだが、海が実はすぐそこである実感は全くないであろう、それくらい海との断絶が激しい。



 豊前市民体育館のある埋め立て地の、能徳臨海公園。水面よりかなり高い公園で、”臨海”ではあるが、すぐ近くの海面を見るためには、「危ないからこっちに戻りなさい」と言われそうな場所に行かないと、真下の海面は見えない。海岸に降り立つ場所は一切無い。臨海公園という名前ではあるが、海との断絶は大きい。しかし、無理してその海を覗き込むと、干出した干潟には無数のカニがいるのが分かる。
 この公園はほぼパークゴルフ場になっており、シニアな方々が炎天下でもプラスチック玉を打って楽しんでいらっしゃった。しかし、ここが海岸であることはどうでもいいことであろう。

 その同じ埋め立て地の反対側の岸壁(北側)、中川河口の少し沖の干潟。川は小さいが、広い湾状の地形全体がかなり広い泥干潟になっているようだった。あまりきれいじゃない印象を受けたが。生き物の様子もあまり記憶にない。

 長くなったのでとりあえずはここまでにしておきます。印象は、小西さんも似たことを書かれていましたが、全般に海へのアクセスが悪く、この辺に住む人の日常生活において、海はほとんど意識の外にあるものではなかろうか、ということです。自然の干潟が残っていても、護岸で固まっても、そんなことは比較的どうでもよくて(環境悪化が顕著でないからかもしれませんが)、豊前海に広大な干潟が残っている理由は、干潟面積に比べて元々の人口密度が低いというだけで、決して積極的に保全されたものでも無いのであろうと想像しました。もし北九州市南部~中津市一帯が、東京ほどの人口を抱える地域であったならば、ここのアオギスは全滅していてもおかしくない、と思いました。幸い、これほどの干潟を潰す強力な開発はなかなか無いだろうと想像されますが。

この後、さらに中津市まで行って、夕方の満潮時に冒頭の河口に戻り、もう少し大きいアオギスにお目にかかれたのですが、気力が沸けば続きを書きます。


テーマ:釣り・フィッシング - ジャンル:スポーツ

【2013/08/25 23:18】 | 釣り | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
こんばんは。

アオギスの生息状況と東京湾の状況を比較して考えると、他の海洋生物種の興廃にもあてはまると思いました。

海洋の生物種が絶滅したり、逆に繁殖する大きい原因は環境の変化で、乱獲とかも原因の1つにはなりうるけど、陸上の動物種に比べれば、それほど大きい原因ではないと思います。少なくとも、釣りで魚種が絶滅するのは相当稀な例だと思います。

相模湾を見ても、10年前にはいなかったキメジマグロが釣れて活況を呈していますが、本当に喜ぶべき事態なのか、環境変化を考えると、複雑な気分です。

アオギスのように、開発で干潟を無くしてしまって、簡単に消滅してしまうように、人間にもいつか大きいしっぺ返しがこないと良いのですが。
【2013/08/28 22:51】 URL | アッキー #iaUTlHwA[ 編集] | page top↑
アッキー様、コメントありがとうございます。

 私はキメジのことはよく知らなかったですが、各種の魚介類の分布の北への拡大、珊瑚へのダメージなど温暖化の影響と考えられる変化は、非常に多いですね。それも心配なことです、が、これからしばらく、夏はわかんないですが、冬は寒い方向に行くだろうと、体感も含めいろんなところから想像します。

 アオギスに関連して、ご存じの通り元々日本の沿岸には干潟が多く、貝塚で明らかなように、古代人は干潟から生活の糧を相当得ていたわけですが、近代では干潟の生産力よりも埋め立てて得られる生産力(経済力?)の方が良かったようです。それによって海の持続的な生産力をそぎ落としたことは分かっていたはずですが、漁民に保証金を払って済ましてきたところ、最近やっと、一般にも問題として浸透する段階になったんだと思います。私が学生だった20年ちょっと前、「環境問題」という言葉はまだ新しく、かつ胡散臭い印象もある分野でした。今でも、インチキ臭い話はあるものの、誰もが問題として認識している時代になったことは大きな変化だと思います。人間も自然の一部であるという、日本人ならそこそこ自然なとらえ方だと思いますが、そういう認識のもと、これから良くなっていくといいんですけどね。

 アオギスは人間の目に見えやすい魚だということもあり、干潟のシンボルのようになっています。今回は、そのアオギスが生きている海はどんなところか見ておきたいという気持ちもあって巡ってみたのでした。
【2013/09/08 19:14】 URL | kubosaku #SFo5/nok[ 編集] | page top↑
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