「Miracle of the Fishes」のkubosakuのブログです。 こちらは緩く気楽に行きたいと思います。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
Hannibal Marvin Peterson "The Lignt"他2作品の再発&初CD化
 さて、本ブログでは初めてのジャズネタでございます。半年前の話ですみませんが、私の大好きなトランペッター、ハンニバル・マービン・ピーターソンの黄金期のアルバムが、一挙に3枚も再発/初CD化した、という事件がございまして、だいぶ以前に下書きをしたままだったので、思い立ってUpすることにしました。


 2009年3月25日、BMG JAPANから、1977~80年に録音された、たいへんアツイ8枚の旧譜が再発されました。そのうち3枚は、燃える男のトラクター、じゃなくてトランペッター、Hannibal Marvin Petersonの作品!うち2作品は90年代前半にCD化されていながらも長らく入手困難盤であったもので、もう1作は初CD化! いずれも当時の熱いプレイがそのままパックされた作品でありまして、この再発は涙ちょちょぎれモンの近年希に見る快挙です。BMG JAPAN様には心から御礼申し上げます! 本当にありがとう!!! ついでに、Marion BrownのNovember Cotton FlowerやBilly HarperのThe Beleiverも再発/初CD化していて、ホントーに素晴らしい! この調子でもっと頑張ってちょうだい!

 さて、Hannibal Marvin Petersonですが、ハイノートを軽々と吹くのはもちろんのこと、かなり無茶なフレーズをグイグイブリブリと荒々しく、そこまでせんでもええやんけ!と、笑ってしまうほど猛烈に、有り余るパワーを全てぶち込んで吹きまくるプレイが彼の真骨頂で、血湧き肉躍るジャズとはまさしくこれだ、そんな演奏を繰り広げてくれる素晴らしいプレイヤーでした。「でした」と過去形になっているのは、残念ながらハンニバルの主要な作品は70年代後半から80年代初頭までの録音で終わっており、少なくともその後録音されリリースされている音源としては良いものが殆ど無いようです。もっとも、録音作品が少なくなったのは詩とか作曲活動の方に力を入れるようになったせいかもしれません。90年代初頭の演奏は、アルバムとしてはGeorge Adams の「Old Feeling (1991年)」でそこそこの演奏が聴けます(Blue Note盤だが入手困難)。80年代終わりか90年代初めかのMt. Fuji Jazz Festivalにおいても、George Adams Old Feeling Bandで来日しており、そこでも相変わらずのブロウをかましていまして、以下のように演奏の一部がYoutubeにもUpされています。



激アツッすよ!

 こういうのを素直にCDにパックしてリリースしてくれればいいだけなのになぁ。ともかく、激しく賑やかに盛り上げる演奏です。最近の活動については新作がないから知る由も殆ど無かったのですが、"Tribute"のライナーノーツで原田和典氏がきちんと触れています。よう知ってるわ、この人。Hannibalは現在、盛んでは無いにしても、演奏活動も継続しているようです。しかし、年齢的にはハンニバルは今年(2009年)で御年60歳だから、さすがに大変な体力を必要とするトランペットで、往年のプレイでもって復活するのは無理だろうなぁ。

 気を取り直して、3月25日に再発された3枚「Live in Lausanne (1976年2月)」「Tribute (1979年1月)」「The Lignt (1978年4-5月)のうち、ここでは「The Light」を紹介します。"The Lignt"の曲は全てオリジナル、というか、組曲という扱いで、全体が一つの大きな流れを形成しています。ハンニバルが何を表現したいのか、その深い意図を読み取るのは私ごときには無理ですけど、アフリカを想起させる大自然と、その恵みに支えられ躍動する生命、といった雰囲気を感じます。

 当時のハンニバルの作品は、「Sunrise Orchestra」と冠打ったクインテット作品が多いですが、Sunrise Orchestraの特徴は、普通の2管クインテットと違ってサックスが無くてチェロが入っているということ。チェロのディーダー・マレイとピアノのマイケル・コクレーンはほぼ固定メンバーですが、ベースとドラムは入れ替わりが激しい。本作も同様の編成が基本ですが、ボーカル、バスクラ、パーカッションが一部の曲で参加しています。メンツと曲目は以下の通り。
 Hannibal Marvin Peterson (tp), Michael Cochrane (p), Diedre Murray (cello), Cecil McBee (b), David Lee (ds), Frank Wright (bass-cl on 5), Marcella Arren (vo on 1 and 5), Stanley Robinson (conga on 1 and 5), Roland Love (conga on 1 and 5)
1. To Find the Path (3:24); 2. To Search the Inner World (15:57); 3. From Blindness Traveling (4:45); 4. For Strength and Wisdom Enough (11:31); 5. The Lignt (14:15)

 1曲目は短めでアルバム全体へのイントロ風。2曲目はチャカポコのパーカションも賑やかな土俗的・祝祭的なリズム、冒頭部はいかにも!のスピリチュアルかつ力強い黒人女性ボーカル(Marcella Allen)によりテーマが提示される。引き続きMichael Cochraneによるピアノソロだが、1曲目でベースが絡んでくる所でも思ったんだけど、けっこうこの人のフレーズは時々Chick Coreaっぽい。そして、なんじゃこれは、はぁ?チェロ?!と、普通の人ならひっくり返るようなDiedre Murrayによる前衛的なソロ。まぁでも、聞き慣れているとこれでもスッと普通のチェロの演奏に聞こえてしまうのが恐ろしい。そして7分30秒過ぎから、少々のVoiceを交えて最後までの約8分間、ハンニバルが超絶のフレーズで吹きまくり倒してくれます。気持ちイイ~!!!3曲目はゆったりとしたテンポだが緊張感を孕む、アフリカの大地を思い起こさせるような荘厳な演奏。

 4曲目、Hannnibalが目もくらむような細かいフレーズをバリバリとかましてから急速調フォービートへ突入!ハンニバルがテーマおよびちょっとだけアドリブで吹いた後は気持ちのよいピアノソロ、なんだけど、よく聴いているとドラムがずれる、しょうがないからピアノが合わせてくれる、なんていう場面も。何となくねぇ、全体として、本作はドラムのパワーが弱い。特に、シンバルの音が弱いのは録音のせいだろうけど、リマスターしてもうちょっとどうにかバリッとした感じには出来なかったかねぇ。まぁしかし、引き続き延々とハンニバルのソロが聴けるわけですが、呆れるほど吹くわ吹くわ。でも、ハンニバルは凄いんだけど、ドラムと1対1になる所ではドラムの弱さが際だってしまう。う~ん・・・。あ、文句は垂れているけど内容は素晴らしいです、相当贅沢こきなことを申し上げているだけです。

 ラストの5曲目もぶちかまし系。冒頭はCecil McBeeらしい、超力強い、前衛的なベースソロが少々。アーシーなリズムでインテンポになってまずやってくるのがFrank Wrightの、バスクラとは思えないフラジオ域で猛烈に吹きまくるフリーキーなソロ!バックのキュルキュルとした異様なチェロや、箏、マラカスの効果音がまたおどろおどろしくて素敵過ぎる!引き続きソウルフルな黒人女性ボーカル、続いて高らかに鳴り響くHannibalのラッパがサイコー!気持ちのよいハンニバルのフレーズが続くうちにプギョー!ギュルギュルと火を噴くバスクラがかぶり、ハンニバルが引っ込んだらギコギコのチェロが被さってくる。そんな熱い流れのままバスクラのアドリブソロへと突入!カッコ良すぎる!Frank Wright、ホントーに凄い!彼は5曲目のみの参加ですが、勿体ない!全編に渡ってHannibalと絡んで欲しかったなぁ。続いてバックで異様な音列を紡いでいたDiedre Murrayのチェロのソロへ移行、これまた異様すぎて素晴らしい!続くピアノソロはたいへん整理整頓された真っ当なJazzに聞こえてしまう。そしてオリャァァァァ!と凄まじい勢いの高音フレーズからラッパソロに突入!おおおーーー!ち、ちびりそうだぁぁ~!しかし何故だ、痺れるほどの感動が冷めやらぬうちに、たいへんな勢いで続くラッパソロが、たったの2分でフェードアウト!えぇっ、もうお終い?!なんてこったぁぁ~!LP時代の収録時間のせいかもしれないが、そりゃ無いぜよ、もうちょっと考えて作ってくださいよ、惜しい、惜しすぎる!せっかくCDになったんだから、マスターテープから完全復活はできないのか?!と、かなり残念ではあるものの、大変素晴らしい内容であることに間違いはありません。

 同時に再発されたあと2作についてもちょっとだけ。「Live in Lausanne」は1976年2月、スイス・ローザンヌにおけるライブ。名作として名高いMPSでの2作品「Hannibal(75年)」と「Hannibal in Berlin(76年11月)」の間のライブ録音、素晴らしく無いハズはない。そう、確かに演奏はたいへんな熱気を孕んでおり、ドラムも力強いし、演奏の質は特A級で素晴らしいのだが、録音バランスが悪くて辛い。テープも劣化しているのか所々音が左右に振れる。「お断り」にも書いてあるが、不気味なノイズが被るところも少々。1曲目冒頭、4曲目冒頭、4曲目終盤でのHannibalの音が不安定過ぎて困る。そんな音質上の問題があるが、海賊盤だと思えば十分高音質(笑)。決して「聴けない」レベルの音質では無い、安定したところでは演奏に圧倒されるばかりで音質など気にならなくなってしまうのでご安心を。「Tribute」は1979年の日本公演の最中にスタジオ録音されたもの。曲目がライブで演奏しているであろうオリジナルが少なく、ありがちな「日本人プロデュースの骨抜き盤」かと思いきや、全くそんな心配は要らない、いつも通りに熱い演奏。まぁよく考えれば「Misty」はMPS盤「Hannibal」でも演奏しているし、Well You Needn'tとかDahomey Danceなんかはこのグループに合った曲調だし。特に、Well You Needn'tのスピード感には圧倒されまくり。Coltraneの「Dahomey Dance」の曲調はHannibalのオリジナル「Swing Low Sweet Chariot」と全く一緒で(笑)素晴らしい!

 以上、ハンニバルと言えば、リーダーとして2作・3作目(録音順では2作目・4作目)にあたる「Hannibal(俗称"ぞうさん")」および「Hannibal in Berlin」が有名であり、特に「像さん」はもっと凄い、素晴らしい演奏であるのは確かで、未だCDは超入手困難盤として名を馳せており、ヤフオクに出れば万は余裕で超える超プレミア盤になっていますが、今回の再発のお陰で、ハンニバルの全盛期のプレイを誰もが容易に聴けるようになったわけで、この再発は本当に快挙であったと思うわけです。なお、私は2-3年前に「ぞうさん」をけっこうな高額で入手していたのですが、その入手に至るまでのエピソードおよび演奏内容についてはいつか書きたいと思います。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

【2009/09/29 01:27】 | ジャズ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<サケの産卵を目撃@盛岡市・中津川 (上の橋) | ホーム | 葉山のボートdeマダイ、自己記録更新!>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://miracleofthefishes.blog26.fc2.com/tb.php/190-df82d88b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。